塾長つぶやき日記

心情問題には公式があります

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「ちょっと、やめてよ!」「なんで!?」「もう最悪!」「放っておいてよ!」

「またこの話かよ…」「聞いてないし!」「そんなの無理だよ…」「もう うるさい!」

心情問題といっても このようなイライラではありません、現代文の流れです。

公式というのは、A何かできごとがあって、Bある心情がひきおこされ、その心情がC言動に表れる、
A→B→Cの流れが つながるように要約する、というものです。
 
たとえば、「みんなの前でしかられて、恥ずかしかった。恥ずかしかったから、顔が赤くなった」、という文があるとしますね、そうしたら、設問は「顔が赤くなったのはなぜですか」とくるわけです。

これができない、
なぜ できないか、原因不明だから国語は、いい時はいいけど悪い時は最悪・・・になる。

上の文を、公式ABCに当てはめてみます、
A何かできごと    ・・・みんなの前でしかられた
B心情がひきおこされ ・・・ 恥ずかしかった
Cその心情が表れる言動・・・ 顔が赤くなった

「顔が赤くなったのはなぜか?」に対して残念な回答が 「みんなの前でしかられたから」(Aだから)です。これは×です。「みんなの前でしかられた」のは事実ですが心情ではないからです。

心情は「恥ずかしい」なので
正解は「顔が赤くなったのは 恥ずかしかったから」(Bだから)と答えるわけです。

回答欄がヤケに広い場合や、字数指定がとてつもなくデカい時があります、その時はAを加えて(CはABだから)とするのです。例えば、「顔が赤くなったのは みんなの前でしかられて、恥ずかしかったから」ですね。あくまで(Bだから)が入ってることがコツです。

【問題1】
次の文章は、有島武郎「一房の葡萄」の一場面です。「僕」は、ジムの持っている絵具がどうしても欲しくなって、誰もいない昼休みに、絵具をこっそり盗んでしまいます。そのことが級友にばれて問いただされる場面です。

「君はジムの絵具を持っているだろう。ここに出したまえ。」 

そういってその生徒は僕の前に大きくひろげた手をつき出しました。そういわれると僕はかえって心が落着いて、

「そんなもの、僕持ってやしない。」

と、ついでたらめをいってしまいました。そうすると三、四人の友達と一緒に僕のそばに来ていたジムが、

「僕は昼休みの前にちゃんと絵具箱を調べておいたんだよ。一つもなくなってはいなかったんだよ。そして昼休みが済んだら二つなくなっていたんだよ。そして休みの時間に教場にいたのは君だけじゃないか。」

と少し言葉を震わしながら言いかえしました。僕はもう駄目だと思うと、急に頭の中に血が流れこんで来て、顔が真っ赤になったようでした。すると誰だったか、そこに立っていた一人がいきなり僕のポッケットに手をさし込もうとしました。僕は一生懸命にそうはさせまいとしましたけれども、多勢に無勢でとてもかないません。僕のポッケットの中からは、見る見るビー球や鉛のメンコなどと一緒に、二つの絵具のかたまりがつかみ出されてしまいました。

「それ見ろ」

といわんばかりの顔をして、子供達は憎らしそうに僕の顔をにらみつけました。僕の体はひとりでにぶるぶる震えて、【眼の前が真っ暗になるようでした。】いいお天気なのに、みんな休み時間を面白そうに遊びまわっているのに、僕だけは本当に心からしおれてしまいました。あんなことをなぜしてしまったんだろう。取りかえしのつかないことになってしまった。もう僕は駄目だ。そんなに思うと、弱虫だった僕はさびしく悲しくなってきて、しくしくと泣き出してしまいました。

【設問1】
文末からかぞえて5文目に【眼の前が真っ暗になるようでした。】とありますが、このときの「僕」の気持ちを説明しなさい。
Aできごと・・・僕がジムの絵具を盗んだことが級友ばれた。(最初の問題文もヒントです)
B心情  ・・・もう僕は駄目だ(と思う)
C言動  ・・・眼の前が真っ暗になる

【解答1】
(例)ジムの絵具を盗んだことが級友にばれ、もう僕は駄目だと思っている。(CはABだから)

いかがでしたか?苦手な問題もルールがあれば簡単になると思いませんか、読むのに時間がかかる、そんな場合もルールを持っていればササっと解けます。ルールが見つかれば、そのルールを試したくなります、試せば試すほど得意になります。自信ができ、国語だけでなく、英語や理社にもつかえます。

大事なことは、ルールは自分で見つけること、学習とはルールに気づくことです。
さあ、今日も 一つ いっしょに見つけにいきましょう!!

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