英文を日本語に訳す時、どのような順番で訳しますか?
I have a pen. だったら
I(私は) a pen (ペンを) have(持っている)というふうに
日本語の順番に合わせて訳すか。
I(私は) have(持っている) a pen(ペンを)というふうに
英語の並び通り前から順番に訳すか。
他にも色々な訳し方があると思います。
上の例文のように短い英文だったら、単語の意味を覚えて
haveは現在形だから持っていると訳せばいいとわかればOKですが、
大学受験で見る英文ではどうでしょう?
共通テストだったらたくさんの文章を速読して、
設問の選択肢もすばやく判断しなければいけないですよね。
私が高校生のときは、英文を一文ずつ前から順番に
主語/動詞/目的語/前置詞/名詞など
スラッシュで訳しやすいかたまりごとに分けて、
一文全体の文構造を把握してから、日本語の順番に忠実に訳していました。
でも、それだとすごく時間がかかるんです。
各大学の二次試験である2〜3ページにも及ぶ英文や
難解な内容の英文を訳そうと思えば、一文一文の日本語訳に
時間をかけている場合ではありません。
では、速読するにはどうしたらいいでしょうか?
オススメは英文を音読しながら前から順番に訳すという練習です。
スラッシュをつけたり、日本語の順番にいちいち直したりしません。
学校では文章構造にそって、一つ一つ丁寧にみていくやり方が多いと思うので、
「そんなのできるの?」と思われるかもしれませんが、
みなさんリスニングでは前から訳していますよね?
リスニング中に流れる英語を全てメモして
文章構造に沿って日本語の順番に訳していたらついていけません。
だから、リスニング中は単語が流れてくる順番に意味を読み取って
前から内容を理解しているはずです。
この前から順番にどんどん訳していく方法は英語と日本語を同時通訳をする
通訳の人が訓練する練習法でもあります。
でも、単語ごとの意味で訳していたら
一つ一つの単語は訳せても文全体で何が言いたいのかわからなくならない?
と心配するひともいるかもしれません。
たしかに単語ひとつひとつに注目しすぎて、筆者が何を言っているのか
文書が何を表しているのかが見えなくなっては困ります。
でも、英語の特徴と日本語の特徴の違いを知れば単語一つ一つに注意しなくても
どこが文の重要要素で、どこを抑えなければいけないかわかります。
英語の特徴は、言いたいこと(動詞)をはじめに言い、あとから補足説明をするといった順番です。
一方、日本語の特徴は、修飾や補足説明をたっぷりつけた後に言いたいこと(述語)を最後に言うといった順番です。
つまり、動詞に注目しようということです。
しかも、単語ごとに前から訳すのではなく
意味のかたまりごとに前から訳せば簡単です。
例えば、
I would like you to take a look at this amazing invention.
(私は〜していただきたい見るこのすばらしい発明を)
(私は見ていただきたいこのすばらしい発明を)と
かたまりごとに前から訳すと速いです。
でも、かたまりごとにって?何?と思われたかもしれません。
そう、これをかたまりごとに前から訳すには
would like A to doが「A に…していだきたい」という意味だと
知識として覚えている必要があります。
また、take a look at が「〜を見る」という意味だと知っていないといけないし
もし知らなくてもlook atにaがついている事で予想できる力が必要になります。
つまり、速読のためには前からかたまりごとに訳す必要があり、
前からかたまりごとに訳すためには単語力や基本の英文法の知識が
しっかり身についていないといけないということです。
でも、今回の目的は大学受験の多量な英文を素早く読むには?でした。
夏にしっかり英語の基礎力を身につけ、
精読をできるようになったなら、
実際の入試に向けて速読練習を始めることをオススメします。
英文をたくさん読んで時間制限に負けない力をつけましょう!
伊藤万莉(いとう まり)
4月から立命館大学大学院の文学研究科 教育人間学に進む。桑名高校理数科、立命館大学(文学部< 人間研究学域>)卒業。
ひと言われたら10考える。高校時代は陸上競技をこよなく愛し、
近い将来は南極に行って「皇帝ペンギン」さまにご挨拶するのが夢。
最近は、生徒とどういう関わりがベストなのか探求中。