やったぁ〜!
できましたね!
成功体験を積み重ねることは大事です。
ですが、過去の成功が未来の成功の
足かせになることがあります。
それは、時間の変化によって、
あの時
うまくいっていたやり方が、
こんどは
うまくいかなくなるケースがある、
ということです。
新しい技術がどんどん出てきます。
ChatWorkなんか1年前には考えられなかった。
そんな時は、古くなった打ち手を、
勇気を持って捨てることで新たな活路が見出されます。
将棋界のレジェンド羽生名人は、
そのことをこんな言葉で言ってます。
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いつも、『自分の得意な形に逃げない』
戦型や定石が重んじられる勝負の世界。
自分の得意な形にもっていけば当然ラクだし、
私もラクしたいという気持ちはある。
でも、それを続けてばかりいると、相手の成長に負けて
息苦しくなってしまう。
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ついつい、人は自分の得意な
パターンに逃げがちです。
塾長自身も、そういうところが
たくさんあります。
でも、それでは成長は見込めない。
いつか破れる。
新しいことを取り入れて、
チャレンジし、成長をくりかえしていかなければ、
生き残ることはできません。
個人的には英語の読解なんかそうでした。
初心者の私は英単語を辞書で調べながら読む、
です。
文を読んでいると、知らない単語が出てきます
そこで止まってしまいます。だから辞書!
学校でも薦めます。大事なことです。
ですが、辞書をいちいち調べていたんでは
時間がかかってしまいます。テストに間に合わない。
そもそも持ち込めない。
これを毎回、続けているのは、
得意なパターンに逃げている証拠です。
【成長1】 単語を調べようとしない
そこで、単語を調べようとせずに、
内容をつかむことに集中します。
どうするかといえば、
前後の文から意味を類推するんです。
これは英単語から距離を離して、
少し上の目線から読む感じです。
辞書を手放すのは不安です。
辞書を引く作業を減らして流し読みする、
手を抜くようで、訳にカスミがかかったようで
気持ち悪いです、
ですが、テストはスピード勝負ですから、
辞書を引く時間と類推する時間と
どちらが速いか、このジレンマを戦う。
【成長2】 文の意味を考える
知らない単語も類推して先に進む、
日本語にならなくても思い切って進む、
辞書にしばられない自由な読み方へ羽ばたくと、
単語と単語の関係から別の意味がにじみ出ます。
例えば、辞書訳だけでは気が付かないミスがこれです
否定文中のbecause、どこが違うかわかりますか?
She’s not studying hard because she wants to get good grades.
間違い訳:彼女は一生懸命勉強していない、なぜなら良い成績を取りたいからだ。
正しい訳:彼女は良い成績を取りたいからといって、一生懸命勉強しているわけではない
意味を考えず、辞書だけの訳だと失敗します。
【成長3】 イメージを使って読む
類推して、意味ある和訳ができるようになりました。
これが2文になると深い意図が見えてきます
2文が何を伝えているのか、イメージして、
自分の世界に置き換えて読む。
紙面から作者の息遣いを感じ
登場人物が動き始めます。
“On the edge of a large forest, in a small house, lived a girl named Kiki.
She was a witch, and one day, she decided it was time to leave home
and find her own place in the world.”
大きな森の端にある小さな家に、キキという名の少女が住んでいました。
彼女は魔女で、ある日、家を出て、世界で自分の居場所を見つける時が来たと
決心しました。
「魔女の宅急便 (Kiki’s Delivery Service)」 – 角野栄子
出発ですね。
【成長4】要約を考えながら読む
単語を類推し、意味ある訳で、
自分のイメージと重ねる。
ところが、意味がわかるのは
最初の2〜3行で、
4行めからは、まるで念仏みたい、
といったことが起こります。
木から森を読むに変える、
文脈を追う必要が出てくるんです。
そこで、重要な主語と述語に線をひく、
線をひくことで要約する、
見返しが必要なときは線の所だけ見る。
【成長5】 速読練習
類推して意味ある訳をイメージし
要約ができました。
ところが、何が言いたいの?何が違うの?
ジョークらしいけど、どこが面白いの?
といったことが起こります。
それは、英文をしっかり読むというより、
設問に100%答えられる方を優先させると
言うことです。
起承転結のメリハリ、文構造です。
その訓練に読むスピードを上げます。
じっくり読まずに、傍線部とか、作者の主張とか、
重要な情報が書かれている部分に線を引いて、
スキップ読みすることになります。
内容の読みが深くなり、正答率が上がると、
長文読解が楽しくなります。
共通テストでは、評論、随筆、小説に加えて、
時刻表やポスター、履歴書や観光案内を読んで
計算したり、考えさせます
このようなチャレンジと試行錯誤をくり返して、
新しい勝ちパターンを発見し、
より読解力を伸ばしていくことで勝てます。
別の例で言えば、
自分で問題を解くのと、友達に教えるのとでは
大きく違ったりします
会社の人事異動で職場が四日市から東京の渋谷に転勤
になったり、
平社員から係長に昇進したら、仕事の見方が変わる
というのも同じです、
以前に上手くいった経験があると、
80%程度は同じやり方を踏襲して、
20%くらいを変えればいいや、なんて思いますが、
それではうまくいきません、
それでは変わらない。
ゼロから始める方が有効です。
要するに、アンラーニングが大事だということです。
アンラーニング(Unlearning)とは、
これまでのやり方を捨て、新たにやりなおすというビジネス用語です。
アンラーニングには、
大きく3つのプロセスがあります。
1.過去のやり方が上手くいかないと自ら気づく、
あるいは、周囲から指摘される
2.気づきや指摘を素直に受け入れる
3.過去のやり方で使えるものと使えないものを分けて修正し実行する
このプロセスの中で、
塾長がいちばん大事だと感じているのは、
2番目の素直さです。
成長する人は年齢に関係なく素直です。
成長が止まってしまう人は、
はい、はい言うだけで頑固な人が多いです。
また、年齢を重ねれば重ねるほど、
素直さは段々と失われていきます。
そうならないように気を付けたいです。
『素直=成長』
この方程式を意識してみましょう!!