こんにちは!ソプラノの稲向裕子です。
「火事場の馬鹿力」という言葉、知っていますか?
辞書を引くと、
《火事のときに、自分にはあると思えない大きな力を出して重い物を持ち出したりすることから》切迫した状況に置かれると、普段には想像できないような力を無意識に出すことのたとえ。
とあります。
ともすると、良いこと、のようにも思えるのですが、実はこれってその場しのぎで、行き当たりばったり、一か八かの大勝負、
上手くいけばいいものの、どっちに転ぶか分からない、危ういことなんじゃないかな、と思うのです。
それよりも、火事場になる前に、《大事な本番のもっともっと前から、普段の何気ない毎日の中で》コツコツと努力したり、計画を立てて地道に頑張ることの方が、本当は大きな力となるんじゃないかな、と経験を通してつくづく思います。
私は若い頃、よく「あなた本番に強いね!」と言われたことがあります。
確かに、大事な試験や本番で、火事場の馬鹿力で乗り切ったことが度々…。いや、毎回そんな感じだった気がするのですが、そのツケが今、年齢を重ねて出てきたように思います。
今は若い時のような馬鹿力が出せません。
そして若い頃にいつもパワーに頼り、その場しのぎで乗り越えてきてしまったので、丁寧さや繊細さが欠けていたと思うのです。
昔に、なかなかチャンスを掴めず舞台に上がる機会が少なかった同世代の人たち…
そんなライバルたちは、私がその場しのぎをしている間にコツコツと努力を重ねて、今、パワーだけではない、丁寧にコントロールされた技術を持って歌っています。
そんな姿を目の当たりにすると、普段の何気ない毎日に、どれだけのことをしたか、が後に大きな差を生むのだなぁとしみじみ思うのです。
さて、5月も末、新しいクラスにも慣れたし、中間試験も終わって何気ない毎日の今日この頃…
そんな今を、どうか有効に使ってくださいね!
稲向裕子
★ソプラノ歌手
☆名古屋二期会会員
★みえ音楽コンクール声楽部門奨励賞受賞
☆イタリア・ミラノ留学
★イタリア・ウルバーニアオペラ研究所短期留学/ブラマンテ歌劇場コンサート出演
☆国内ではオペラ「愛の妙薬」アディーナ役など多数のオペラで主演を務める
★コンサート活動・オペラ出演
☆「ソプラノ稲向裕子ピアノ・声楽教室」主宰
https://inamukaiyuko.themedia.jp/
《2023年今後のコンサート・イベント予定》
◆ 6月7月@三重県小中高等学校及び特別支援学校/G7三重・伊勢志摩交通大臣会合の出前授業
◆7月@ダイニングバー千家/夏の夜のコンサート
◆8月6日(日)@第一楽器四日市店サロン・パレア/ソプラノ稲向裕子ピアノ・声楽教室発表会
◆9月@イタリア・ウルバーニア/オペラ研究所夏季セミナー参加・修了コンサート
◆10月19日(木)@四日市市あさけプラザ総合会館/中庭コンサート
◆11月11日(土)12日(日)@名古屋市東山スカイタワー/東海芸術アカデミー公演・ミニミュージカル「ハイジとクララ」(アルプスの少女ハイジより)