私が人生の道で迷い、歌えなくなった時に出逢った恩師、「世界の歌姫ベスト100」にも選出されたソプラノ歌手の飯田みち代先生。
京都大学教育学部心理学科を卒業された飯田先生は、大手企業に就職するも、歌手になる夢を叶えるべく会社を退職、そして歌の道に進み、海外で研鑽を積まれキャリアを築きました。
私は先生に出会った時、名古屋二期会主催のオペラ「ヘンゼルとグレーテル」のグレーテル役で出演をすることになっていたのですが、さかのぼることその5年ほど前に発症した声帯結節の再発の恐怖もあり、また5公演連続で主役級のキャストに選出され、嬉しさと緊張とプレッシャーと不安で、段々と声が出なくなっていきました。
プレッシャーが、知らず知らずのうちに私の体を硬くしていって、喉に良くない発声で歌ってしまっていたのでしょう。
このままではまずい…
と思い、発声をあれこれ色々と試みるも、以前に出来たことが、同じようにやってみても全然出来ない。
そこから私は何年もの間、不調が続きました。
そんな時、ドン底の悩める私を見かねて、歌仲間が声をかけてくれて、飯田みち代先生に引き合わせてくれたのです。
私は飯田みち代先生が歌われた公演を度々観させて頂いたことがあり、素晴らしい歌手でいらっしゃることを知っていて、そんな大先生の所へ突然に声が出ない私が行くのも気が引けたし、芸事の世界では、もともと習っている先生がいるのに他の先生に習うのはもともとの先生に不義理をすることとして御法度…良くないこと、という常識もあり、とても悩みました。
しかし、オペラ公演の日にちは決まっているし、ためらっている場合じゃない。もう他に手立てがない。
と仲間に連れられて飯田先生のお宅へ伺いました。そして先生に悩みを打ち明けると、飯田先生は「辛かったでしょう」とそっと私を抱きしめて下さり、心配をして、声・喉に良いと言われること、ありとあらゆる手を尽くして下さったのです。
そして、
「人間はその魂を磨くため、美しいものを見るために、この世に生まれて来たのよ。そして美しいものというのは、生ある命。命あるものは美しい。」
と教えてくださり、私にまた歌うエネルギーを与えて下さいました。
あれから7年…
私は美しいものを見るとき、感じるとき、「生きている。幸せ。」と実感します。
そして、「芸術の声」という美しい声で、美しい音楽を奏で、それをお客様に聴いていただきたい!
そんな思いで毎日練習を続けています。
まだまだ道のりは遠く、理想の音楽に達することは出来ませんが、悩みながらも今できるベストのチカラを出して、聴いていただくお客様へ何かをお伝えすることが出来たら…と願っています。
10月19日(木)18:30〜
あさけプラザ中庭にて開催の『中庭コンサート』に出演します。
入場は無料です。たくさんの方々においで頂けましたら嬉しいです。
よろしければチラシをご覧ください。