じつは、9.11に遭遇しています。
この日の朝、8:46、
私は塾をお休みさせていただいて、
夜中に成田を飛び立ち、
7時間たってアメリカ上空まで来ていました。
ロサンゼルスのディズニーランドに行く予定だったのです。
窮屈なエコノミー席で、ひざを曲げ
私はブランケットを身にまとい、
イヤホンつけて洋画を見ながら、
薄暗い機内でうつらうつらしていると、
「本日はバンクーバー便へのご搭乗、まことにありがとうございます。
当機は東京成田空港を出発いたしまして、
カナダ バンクーバー国際空港へ向け順調に飛行中でございます。」
つづいて機長のアナウンスが聞こえてきて、
いま西海岸あたりだということで、
そっとブラインドを持ち上げると
外は真っ白な雲が光っていました。
よく見ると、パンナムの右翼の向こうに、雲間から真っ青な海がのぞいていて、
いよいよ着いたな、と思っていました。
機内は周囲を見渡すと、乗客がところせましとすわった状態のまま寝ていて、
遠くに聞こえるジェット機の爆音を聞きながら
なにごともなく静かに飛行機は進んでいました
ですが、もう一度、右の窓からまぶしい雲をちらっと見ながら、
私は、なんか心臓のあたりが、どんより重い気分で、
胸騒ぎと言うか、胸のあたりを押さえつけられている感じがして、
この飛行機、まさか落ちないだろうな・・
なんて、感じていました。
誇張していると思うかもしれまぜんが、
9,11と言うと、まず、機内から外を眺めたときの
うつな気分を思い出します。
予定通り、乗り継ぎでバンクーバーに到着しました。
荷物を受け取るのに、 ごく普通に1時間ほど待っていました。
なにやら、そばの係員が仲間と話しあっていましたが、
まあ、カナダの人たちって、こんな風に
わたしたち乗客より、仲間同志の話の方が大事なんだ
なんて、思っていましたが、
アタック、と言う言葉がやけに聞こえていました。
アタックとは、世界貿易センタービルに飛行機が突っ入んだ、という意味だと、
わかったのは、このあとでした。
日本の旅行会社の人が外の乗り継ぎゲートで待っていて、
緊張した面持ちで、こう叫びました。
「状況はよくわかりませんが、とにかく国際線はいま全面ストップになっています。
「これからさきは、いっさい飛行機が動きませんので、今回のディズニー行きは中止です。
いつ運行が再開するのかもわかりません。
ここからは、みなさんで、各自手配をお願いします。
ホテルは比較的安いBBがお勧めです。」
そう言ったきり、足早に姿を消してしまいました。
やばいことになった。
2回にのぼったら、はしごを外された。
公衆電話は人でごった返していました。
続きますー
この記事へのコメントはありません。